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老健の他科受診はなぜ健康保険が使えないの?

 

このサイトで、多くみていただいているのが他科受診のところです。

老健施設 他科受診 費用や送迎はどうなの?

それだけ、他科受診についてはわかりにくく、対応に苦慮しているからでしょう。

 

なんで健康保険が使えない?

よく言われるのが、

老健には医者がいるから。

 

でも、医者がいても、その医者が対応できる専門なのか?

老健にはいろんな疾患をもった利用者様が入所しています。

体調が悪くなり、様子がおかしい!

本来は離島や過疎のお医者さんみたいにオールマイティな能力が必要となります。

でも、老健に来られる医師は、一線を退いた医師が多く、なかなか対応も難しい現状があります。

 

また、設備もほとんどなく、聴診器だけでどう診察するんだ!という状況です。

血液検査も業者さんにだしてから翌日以降に結果がわかる。レントゲンもない。

といった設備面での問題もあるでしょう。


他科受診で健康保険が使えない理由とは

 

でも老健の生い立ちをみると理由は分かります。

 

老人医療費の増大

 

それを解消する目的で老健施設が創設されました。

 

「社会的入院」

老人病院に長期にわたり入院。一つの病院に長期だと診療報酬が下がるので、転院を繰り返したり。在宅での介護資源も乏しい時代。パジャマや病衣ですごす老人が多数いました。

 

どんどんと老人医療費が増えていったんですね。

 

日本の介護保険制度について 2016年11月

(厚生労働省老健局)

https://www.mhlw.go.jp/english/policy/care-welfare/care-welfare-elderly/dl/ltcisj_j.pdf

 

この資料をみていただくと、介護保険制度の歴史やこれからのビジョン(新オレンジプラン)の概要がつかめると思います。

 

平成元年のゴールドプランで、施設整備と在宅福祉の推進が図られるように方針が立てられました。

 

平成12年の介護保険制度開始で、飛躍的に在宅介護の環境が整えられました。

 

老健は介護保険制度が始まると、要介護度1~5の認定を受けた人でないと入所ができなくなりました。それを機に、入所者が重度化していきました。(自立っぽい人もそれまでは入所していました。介護保険が始まり、車いすの人が増えましたね)

 

重度化すると医療の度合いが高くなります。

一応、老健の利用者については、

 

介護老人保健施設をご利用いただける方は、介護保険法による被保険者で要介護認定を受けた方のうち、病状が安定していて入院治療の必要がない要介護度1~5の方で、リハビリテーションを必要とされる方です。(全老健ホームページより)

 

病状が安定していて入院治療の必要がない

 

最近はどんどん「病状が安定していて」といえない入所者様が増えていますね。

病状が安定しているのは、認知症で施設内をお元気に歩かれている方といった印象ですが。

 

病院は介護施設からだとなかなか入院させてくれません。

認知症という病名がついていると敬遠されます。

よって、よっぽどでないと入院できず、すると「他科受診」ということで老健に請求が来ます。

健康保険が使えないので10割です。(なかには保険外診療ということで10割以上の請求をする病院もあるので注意!)

 

なので、おそらく入院だろう、と思っても「他科受診の手引き」の該当する科のところをコピーして医事課に渡しておかなければなりませんね。

 

特に、支援相談員さんが他科受診についてはご苦労されていると思います。

 

まとめ

 

結論として、「医療費の削減」が健康保険が使えない理由なので、いまさら他科受診に健康保険が使えるようになったり、薬代も健康保険で処方してもらうことは、将来的にもないでしょう。

ちょっと受診しただけで1万円くらい取られることもザラ。
薬も新薬の高い薬を使っている方も増えている。

なかなか苦労が絶えませんね。

また機会があったら取り上げていきたいと思います。