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「3·11津波と災害 7年目の節目に思う」

~千年後まで語り継ぎたい吉浜の教え~

医療法人勝久会 理事長 木川田典彌氏

木川田理事長は岩手県に2つの医療法人と3つの社会福祉法人を運営されています。陸前高田市、大船渡市、大槌町と被害が甚大だった地域です。

今回は陸前高田市の介護老人保健施設松原苑さんにお邪魔させていただきました。

木川田理事長、村上統括部長、入澤看護部長のそれぞれのお話を聴く機会をいただきました。

まずは木川田理事長からお話をされました。

東日本大震災による被害状況ですが、理事長が運営する法人では、人的被害は職員900名のなかで3名亡くなられております。
勤務中の職員の被害はなかったのですが、当日非番の職員が3名なくなられております。
施設の被害状況は、小規模損壊から中規模損壊、流失や全損などそれぞれ被害を受けてしまいました。通常であれば、もっと人的被害が出てもおかしくない状況。理事長が幼い頃から受けた教えがそこに生きております。

理事長は岩手県大船渡市の北部、吉浜という小さな寒漁村に生まれたそうです。
その時に、津波の話はお祖父さまから昔から何度も何度も聴いていたたそうです。

地震と津波の話

「地震があったら津波が来ると思い、異常な引き潮があったら山に逃げろ」と常に言われていたそうです。

①海のほうに目・耳を向けろ
②海鳴・潮鳴が聞こえるか注意
③異常な引き潮の有無の確認

恐ろしい、地震と津波は祖父の昔話から、3つの津波と大潮がありました。
①宮城沖津波(仙台沖の津波)
②三陸沖津波(この沖の津波)
③十勝沖津波(北海道から来る津波)
④大潮(どこか遠くの国から来る津波:チリ地震津波が1960年(昭和35年)にありました)
⑤山津波(五葉山、後山から)

津波と大潮と高波・高潮
①大潮は、海面から海底までの水流:破壊力が大
②高波・高潮は海面の水流:エネルギーが小さい

三陸沖三陸海岸沖の津波

古くは869年両眼の大津波
1611年慶長三陸津波
1677年憲法三陸津波
(この間が66年)
それ以降津波の発生の平均年数が約67年ごとに起きております。

今回の東北地方太平洋沖地震津波に係る人的被害建物被害状況ですが、1番被害が大きかったのは大槌町、次が陸前高田市、その次が大船渡市の順番になっております。
津波の体験者も多く亡くなられております。
理由として、これまでの津波の詳細を忘れ、自らの前経験を信じたことから被害を受けております。

理事長の生地、吉浜地区では死者行方不明が1名となっております。
近隣の地区と比べて圧倒的な少なさです。

奇跡の集落と呼ばれる吉浜

東日本大震災で最も被害で少なかった地域として外国からも注目されて、アエラやジャパンタイムスなどで紹介されました。
先人の教えを忠実に守って、津波のたびに被害の大幅に減少させてきた少ない数少ない地域です。
今後起きる災害に備えることや復興のあり方の参考にするために多くの報道陣とか研究者が吉浜を訪れています。

木川田理事長は、施設を作るにあたってまずは津波対策。
高台につくること、そして水源を確保することにこだわって場所を決めています。

水源は近くの山の湧き水を確認。今回の震災時に施設まで水を通して、災害時に起きる断水を乗り切りました。

震災当日は出張で不在だったそうですが、普段からの対策が津波から施設を救ったといえます。