摂食嚥下のメカニズム

本間氏講義の続きです。

摂食嚥下運動の5つのステージ

 

摂食嚥下運動は5つのステージがあります。

 

まず先行(認知)期

食べ物を認知します。

見る、聞く、嗅ぐことで食べ物を認知し、口腔まで食物を運びます。

この認知ができないと、食事介助は大変ですよね。

認知症が進んで、食べ物とわからない。

唇にちょこっと食べ物をつけて、それで認識してもらおうとする。

 

準備期

食べ物を捕食し咀嚼します。

食べ物を口に取り込み、唾液と一緒によく噛んで、

飲み込みやすい形(食塊)にする。

よく噛まないと、飲み込みやすい食塊にならないので、

誤嚥につながります。

 

口腔期

まとまった食塊をのどに送ります。

舌を使用し食塊を口腔から咽頭に送り込むんです。

 

咽頭期

嚥下反射が起こります。

咽頭に集められた食塊を、嚥下反射によって

咽頭から食道内に送り込みます。

軟口蓋が閉じ、鼻腔への流入を防ぎ

咽頭蓋が反転することによって

気道への流入を防ぎます。

 

食道期

食道通過。

食道に移った食塊を胃の中に送り込みます。

 

嚥下・誤嚥のメカニズム(ニュートリーオリジナルCG) 
ニュートリーのオリジナル動画「メディカルニュートリション~栄養療法の世界~ Vol.3 」の短縮版より

 

実際の講義では、

イラストで説明されたり、

実際の映像を映して説明したりと、

とてもわかりやすかったです。

こうして言葉で説明を書いていくと、

わかりにくいですよね。

 

私たちは、この一連の動作を、

変に意識することなくおこなっています。

ご飯を食べているときに、

今、咀嚼してこれから食塊にして食道に送り込み・・・

なんて意識してないですよね。

無意識にその動作を行なって食べています。

それが年を取って認知症になったり、

病気や老化で機能が低下すると出来なくなってくるんですね。

 

先行期の重要性を示す例として

両目弱視の方で理解力がある人

食事介助をしていたが、

ティースプーン3杯でムセ出現しています。

見て認識が不十分だと、嚥下に影響がでてしまうんですね。

 

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窒息の危険

 

高齢になると咽頭の位置が下がってきます。

窒息の危険。

咀嚼不十分で食べ物がそのままの形で咽頭へ送られます。

気道にふたをすると窒息。

想像するだけで苦しくなりますね。

 

原因として、

食べ物の誤嚥

食べ物以外の誤嚥

胃の内容物の誤嚥(逆流性食道炎)

と言ったことが考えられます。

 

不慮の事故死亡数で

なんと、交通事故死を窒息死が逆転したんですって。

 

まれな例ですが、薬が気道を閉塞したことがあったそうです。

夕食後の口腔ケア時に顔面蒼白にて発見。

食物の気道閉鎖を疑い、処置が施されました。

吸引してみると薬剤だった。

大きめの薬剤があり、それが舌下に残っていた。

何らかの拍子で喉に入り、気道を閉塞したようです。

 

食事の形態に再考を

 

刻み食

危険なんです。

肺炎を起こしやすい形態のお食事です。

これからは、ご本人の様子を観察し、

他の食事形態を検討してください。

 

嚥下反射はタイミング

ミキサー食がのどにへばりついている例もあり。

よって、ミキサー食が必ずしも安全ではないといえます。

 

どんな食事形態であっても、

嚥下反射のタイミングがずれると、ムセ混んでしまいます。

 

あとは、食事の姿勢

上を見上げた姿勢は危険ということはおわかりでしょう。

食事介助時、介助者が立ったまま介助するのはダメですね。

 

口腔ケアの重要性

 

口腔ケアで誤嚥性肺炎の発症を抑えることができます。

胃瘻だからといって口腔ケアしなくていいのではありません。

口を使わないので、逆に口腔内が常に乾燥します。

胃瘻で入所された方を観察してみると、

口の中に粘着垢があり、発熱の原因となっていました。

病院ではほぼできていない。

口腔ケアをすることで、発熱がなくなってきます。

服薬調整による改善事例

 

また、傾眠拒食で食事摂取困難な事例を紹介されました。

たくさんの薬、特に夜寝なくて騒がれたのでしょう。

睡眠薬と精神安定剤が多く投与されていました。

服薬調整をすると、睡眠のリズムが取れるようになりました。

自力で食事も食べられるようになり、レクにも参加。

 

ご本人に、活力を取り戻してもらう。

そういったことが老健施設では可能です。

摂食嚥下障害、食べる楽しみへ

多職種での総力戦となります。

 

まとめ

 

嚥下のメカニズムを介護する人はしっかりと理解をして、

食事における誤嚥を防いでいかなければなりません。

 

食事提供における食形態の検討や、

食事介助、口腔ケアと一連の過程において

ひとつひとつしっかりと行なっていくことが

誤嚥や窒息を防ぎ、安全に食事が食べられることになります。

 

食事時における安全性も大事ですが、

なにより楽しく食事が食べられる。

「口福」

それによって、生きていく活力が生み出され、

日々の生活状況が劇的に改善される事例が生まれます。

そのことをしっかりと意識してケアに当たることで、

介護という仕事にやりがいが生まれるのでしょう。