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難病患者をトイレに放置して死亡

福岡の病院で、難病患者をトイレに放置して死亡させたとのニュースがありました。

昨年8月12日にその事故は発生しました。

看護助手がトイレに連れて行き、ナースコールのボタンを渡した。終わったら押してくださいと、別の仕事でその場を離れた。女性は約2時間後に心肺停止の状態で発見。9月9日に亡くなられたとのこと。

女性は以前も意識を失ったことがあり、朝の申し送りでスタッフにトイレの際は付き添いが必要と伝えていたが、その看護助手は別の仕事をしており伝わっていなかったとのこと。

この死亡事故は対岸の火事か?

この死亡事故は介護施設に働く人にとっては他人ごとではないでしょう。

トイレ介助は複数名の対応があり、今回のように終わったらコール押してくださいというケースが多くあるでしょう。一人の人のトイレにずっと付き添っていたら、仕事が回らないという現状もあります。

また、職員も複数でトイレ介助を行なっており、自分が誘導した利用者を他の職員がトイレ終了の介助(排泄後のズボン上げや車いすへの移乗)をすることも日常にあります。
全員のトイレが終わったか、確認が必須となります。

その女性の不在は気になったが、リハビリをしているのかなと探すことはなかったとのこと。
リハビリは別フロアで実施することがほとんどで、離設(施設や病院から利用者様が一人で外にでてしまう)の可能性がある方以外は、館内ではあまり所在を気にすることは少ないでしょう。

申し送りを徹底する。

トイレ介助の場合は、終了時に再度見回りをする。

利用者様の所在確認をすることを業務のルーチンに入れる。

といった対策はすぐにできることです。

一番の問題は

一番の問題は、病院が家族に虚偽の説明をしたことです。

看護助手が5~10分おきにトイレを見に行ったのですが・・・
と話したのをうのみにし、それを家族に病院が説明。

実際は2時間放置されていたとのことです。

ミスをした職員は、どうしても自分を助けたい、ということで事実と異なることを言うことがあります。
ミスをしたら厳罰、という空気があるとどうしてもそのような行動にでてしまいます。

一人のミスをその人だけの責任にしない。制度仕組みがミスを誘発したと考え、そのミスを防ぐ仕組みを構築する。それが求められます。

なにか事件・事故があったら、自分たちに置き換えて対策をすること。それがリスク回避につながっていくでしょう。

ナースコールは付いておりますが過信は禁物

 

トイレに放置、1カ月後死亡 福岡の病院

毎日新聞2016年12月31日 18時28分(最終更新 12月31日 20時57分)

 日本赤十字社の医療施設である福岡市西区の今津赤十字病院(藤井弘二院長)で2016年8月、難病の入院患者の福岡県糸島市の女性(当時68歳)がトイレに放置されて心肺停止になり、約1カ月後に死亡していたことが同病院への取材で分かった。

 同病院によると、女性は脳の神経細胞が変性し筋肉のこわばりなどを起こす難病「多系統萎縮症」で、床ずれの治療のため16年8月8日に入院。左半身が不自由で車椅子を使っていた。同12日午前10時過ぎ、女性看護助手が院内のトイレに連れて行き別の仕事で離れた。1人になった女性はトイレ内で意識を失ったとみられ約2時間後に心肺停止の状態で見つかり、9月9日に亡くなった。

 女性は過去にも血圧が下がってトイレで意識を失ったことがあり、病院内では付き添いが必要と申し送りをしていたが、女性看護助手には伝わっていなかった。

 病院は当初、女性看護助手の話に基づき「5~10分おきにトイレの様子を見に行った」と女性の家族に説明した。しかし、虚偽だったことが判明し家族に謝罪した。同病院の武田義夫事務部長は「当院の医療過誤と認識している。申し訳ない」と話している。現在は再発防止のため文書で申し送りをしているという。

 福岡県脊髄(せきずい)小脳変性症・多系統萎縮症友の会事務局は「事故も虚偽の説明もあってはならない。病院は事実関係をきちんと調査し、二度と繰り返さないよう努めてほしい」としている。【山下俊輔、林由紀子】